2013年11月29日金曜日

1日に7回感動すること(GMBAブログ)

Keijiです。

今日は恩師から学んだ、心に刺さった言葉に関して。

「良い作品を作るためにはどうすればいいんだろう。。。」

18 歳から志したデザインの分野で、
日々学校でクラスメートと学校に泊まり込みながら、
悶々と悩んでいたことを、時折思い出します。

その頃、自分がまさかビジネスの分野で活躍しよう、
MBAにいこう、などとは想像もしていませんでした。

その時期から現在も一貫して感じるのは、18歳のときに恩師に出会わなかったら、
今の自分は全く違った人になっていたのだろうと思います。

大学学部時代は友人とともにデザイナーを志し、
デザインの基礎、例えば、彫刻、建築図面、色彩論、
プログラミング、コンピュータグラフィックス、 等を勉強し、
2年からはそれぞれの分野に分かれ、おおよそ3ヶ月毎に与えられる課題に対して、
時には徹夜し、寝袋で寝たりしながら作品作りをしていました。

私の恩師はグラフィックデザインの世界ではとても有名だった方で、
学部生に対してはとても厳しい方でした。
どれだけ(何日も)徹夜してアイディアを持っていっても、
面白くないものは面白くないと一蹴されました。
常にとてつもなく怒られていたという記憶が残っています。

そんな教授に、すばらしい作品をつくるためには
どうすればいいのか、と尋ねたところ、

「一日に7回感動しなさい」

と言われました。

それは、自分の感受性が豊かにならない限り、人の心を動かすような
作品は作れないということを意味しています。

それはデザインの世界でなくても同じだと感じます。

それが作品だろうか、事業だろうか、何かのプロジェクトだろうが、
新しいことを始めたり物事を前へ進める場合は、人の心を動かす必要があります。
それらに関わる人だったり、その商品を購入するConsumerだったり。

社会人になってからは、日々の忙しさとストレスの中にどっぷり浸かり、
自分が何に感動するのか、意識することがとても少なくなったと思いました。

時には時間を取り、何が自分の琴線に触れるのか、
どんなことに心を動かされるのか、足を止めて考えることも必要だと思います。

最近、GMBAの授業で学んだことを、自分の会社の現状と照らし合わせ、
何が問題で、何を変えなくてはいけないのか、日々考えています。

その中でも本当に大切なのは、「どんな商品をUserは本当に求めていて、
心の底から感動をするのか」ということだと思います。

それを実現するために必要なことを、卒業後に実行していきたいと思います。
自分が感動することを怠らないようにしながら。

Keiji

2013年11月15日金曜日

イノベーションは失敗から(GMBAブログ)

Keijiです。


Nobuさんが書いている通りWinter Termのクラス決めが始まりました。
Winterが終わると卒業式、その後Ross名物のMAPプロジェクトがあり、
7月の頭にGMBAプログラムは終了です。
先がみえてきたことにより、少し寂しい気持ちと、
MBAで得られる(た)物をどのように今後の活かすのか、
最近はより一層考えるようになりました。

少し時間が経ちましたが、先日の企業訪問について書いてみます。
私は主にシリコンバレーに行ってきました。
 
私が参加できなかったNew York編は下記のメンバーが書いているので、ご覧ください。
Expanding by Eiji
New Yorkツアー by Ken

*****

シリコンバレー、パロアルト、スタンフォード。
聞いたことはあるだけで行ったことはありませんでした。

「アメリカのMBAにいるのに、NYやシリコンバレーの
 会社に行ったことが無い???それはまずい。。。」

GEのジャックウェルチのアドバイザーもしていた、
Noel Tichy教授の一声からこのプロジェクトは始まりました。

参加する前の私のイメージは
 ーシリコンバレーは、新しいInnovativeな会社がうまれるところ。
 ーパロアルトって名前はFacebookの本を読んだときに聞いた地名。
 ースタンフォードは日本でも有名なアメリカの大学。
私の知識はこの程度でした。回った企業は下記の企業です。

  • Job Train
  • Qualcomm
  • eSilicon
  • Ikanos
  • Stanford Engineering School
  • Intuit
  • IDEO
  • Solazyme
  • Xero
どの訪問でもTichy教授のおかげでCEOなど会社の重要な人物と会うことができ、
シリコンバレーで会社を経営することについて
十分な時間を取って議論ができたことは、きわめて刺激的な経験でした。

よく言われる「シリコンバレーでスタートアップしたら、失敗は悪いことではない」
というのはどの会社をみても事実でした。どんどん挑戦し、失敗したら次にいけばいい。
そんな雰囲気から、あたらしいクリエイティブなアイディアを生み出し続ける、
大きなうねりを感じました。

自分の今までのビジネスのあり方を振返ってみても、
失敗しそうなプロジェクトを批判したり、成功する確率が低いものを
潰すようなことをしてしまったことを覚えています。

そんな余裕が無い状況から、すばらしい商品のアイディアができるのでしょうか?
絶対できないですよね。すばらしいアイディアを創出し、
失敗を恐れずに実現していく環境を率先して作っていくことが必要だと強く思いました。

下記に訪問先の会社で印象的だった部分を書き出してみます。

Intuit(アメリカで30年継続してNo1の会計ソフトを作っている会社)では
CEOといろいろな議論を交わしましたが、
継続的にすばらしいアイディアを商品に活かすこと、また
トップマネジメントも含めて消費者のことを本当に深く理解することに、
なみなみならぬ努力をされていることが印象的でした。
というか、アメリカ、シリコンバレーで、ある分野でずっとNo1であることって、
極めて難しいことだと思います。今回お会いできたCEOも6人目。
すばらしい会社にはすばらしいCEOがいるんだなぁと思えるほどのすばらしい方でした。DSC03801 copy

Xero(Intuitの競合でどんどんシェアを伸ばしている会社)。
ここでは、Ross School of Businessの 卒業生が働いているのですが、
Intuitを越えるようなユーザビリティを持ったソフトウェアを開発しており、
先日、10/14に$150 Million(約150億円)をベンチャーキャピタルから調達したとのこと。
今後、すばらしいCEOをもつIntuitと、飛ぶ鳥を落とす勢いのXeroの一騎打ちが、
どうなるか、興味深く観察しようと思います。

だだっ広い会社にはビリヤード台も。DSC03834

向きが逆ですが、デッキから見えるサンフランシスコの景色は最高でした。
DSC03836

Rossのアルムナイが事業について細かいところまで答えてくれました。
DSC03840


IDEO今回のトリップで一番行きたかった場所。
私がグラフィックデザインを学んでいたときから興味津々の会社。
パロアルトのオフィスはまるで大人の幼稚園。
最初のマイクロソフトのマウスも最初のアップルのマウスも、
実はIDEOがデザインしたものだとは知らなかったです。

入り口の建物。確か5つくらいの建物に分かれていて、それぞれで違うプロジェクトを進行中。
 

入り口を入るとこんな待合室。真ん中にあるテーブルは円形の紙で、お絵描きができます。
DSC03814

撮影は禁止でしたが、大きな工房があったり、新しいおもちゃを開発するブースがあったり、
いままでにない医療機器を開発する場所があったり。
面白すぎて、興奮しっぱなしでした。なんて会社だ!
ちなみにIDEOに関しては日本の書籍もあるので気になる方は読んでみてください。

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コンサルティング業界のかたには、この記事もおもしろいですね。
地下鉄の自販機の売り上げをアップさせた、IDEOのユニークな行動観察調査手法

Stanford Engineering School
そんな自由な風土や、新しい発想を生み出す源泉は、
やはりスタンフォードから来ていると思いました。
訪問したのはMBAではなくて、Engineering School。
自分の会社にもいろいろと取り入れたいと思うほど、
興味深い場所でした。


中に入ると、取り外しできるホワイトボードがいっぱい置いてあります。DSC03772



こうやって壁に引っ掛けて使います。立って議論し、アイディアを書いていく。
必要であれば追加。何日間も議論がある場合は取り外してまたかければ良い。
壁に書くと消さないといけないですよね。
せっかく出てきた貴重なアイディアをどのように活用するかという点で、
とても優れているやり方だと思いました。
DSC03776

思いついたらすぐ作る。Quick Prototypingは基本ですね。
すぐにできるように色々な素材がおいてあります。
DSC03779

ここはちなみに教授の部屋。普通の人なら嫌がりそうですが、
オープンで、何でもすぐに相談できるこの環境こそ、
Stanfordの強さだと思いました。
DSC03782

ここで紹介したのは一部で、まだまだここには書ききれないほどの経験を、
この短い期間でしました。GMBAは本当におもしろいです。 

Keiji