2013年12月26日木曜日

自分が社会に残せるインパクト(GMBAブログ)

Keijiです
2013年が終わろうとしています。
今年は変化の年でした。そして本当に考える年でした。

今年最後の締めくくりとして、少し振り返りたいと思います。

大学生の頃は恩師から、身の丈が分かっていないと
アドバイスを受けました。
その時は意味がわかっていなかったものの、
自分ができないような目標を常に立て、
無謀と言えるような計画を見た恩師は、
それを事前に察知していたのでしょう。

大学院に行ってからも、
周りにいる優秀な同級生や先輩についていけず、
精神的にもかなり追い詰められていたのを覚えています。
英語も含め劣等感の塊からスタートした学生生活でした。
とにかくなんとかついていきたいと思い、
常にもがきながら過ごしました。

就職してからも自分にない才能を光らせる
同期たちに驚きました。危機感を持ち、
大きな組織の中であくせく働く自分の小ささに
葛藤を覚えながら、目の前のことを必死に取り組んでいました。
営業時代の上長から、「目の前のことに集中しすぎる傾向がある」
と指摘されたことがあります。
目標を達成することに集中しすぎ、
周りが見えなくなっていたのだと思います。

いろいろなところで出会い、
アドバイスをもらうことで
少しづつ少しづつ成長してきました。

そして現在。

半分以上のカリキュラムを終え、
MBAは、ただ資格として持っているだけでは、
個々の授業のTake Awayを最大化するだけでは、
なかなか価値や意味を最大化できないと感じています。
確かに、特にアメリカではMBA卒業後の平均年収は非常に高く、
それを求めている人も多くいます。
個人個人の価値観があるのでそれは否定できません。

しかし私が大事にしたいのは、
授業で学んだことや今まで経験したことをもとに、
出会った貴重な友人たちと、
自分がこの社会にどんな価値を残せるか、
私たちがこの社会に存在する意義を
どうやったら最大化出来るのか、ということです。

小さなことでも、大きなことでもいい。
私が携わる事業やプロジェクトが、
利益を出すだけではなく、社会や関わる人たちを
どのように変えて行くことができるのか。
どれだけ共感を呼び、周りの人たちを巻き込みながら、
意味のある価値を作ることができるのか。

窮地に立ったとき実際に
どのような信念を持って判断した戦略を
実行して行くのか、MBAでは教えてはくれません。
一部を除いて学校の教授は、
重要な決断をするビジネスの最先端にはいないからです。

培った自分の価値観を信じながら、
MBAで学んだことやネットワークをベースに、
リアルなビジネスの中で身を持って
実行していくことが、MBAを卒業する学生に
与えられた宿題であり、MBAを取得する価値だと思います。 

私は、個人の利益や組織のBureaucracyに沿った
判断・実行ではなく、自分の信じる
この価値観をもとに見極めていこうと思います。

2014年も少しづつ少しづつ成長していきたいと思います。
周りの方々にいろんな影響をもらったことに感謝をしながら。

皆様良いお年を。

Keiji

2013年12月13日金曜日

Journey Ahead(GMBAブログ)

Keijiです。

以前、Ross School of BusinessはBase of Pyramidで有名だという記事を書きましたが、先日秋学期の最後の授業が終わりました。

通常のビジネスで取り扱う戦略やフレームワークとは内容や方向性が違うので、戸惑うことがあったものの、Professor Ted Londonが授業中におっしゃっていた根底に流れる問題意識に深い感銘をうけました
例えば、このブログを読んでいる方々は、多くが日本人です。
その中には、裕福な人から貧しいと言われる人まで含まれていますが、Social Safety Net等もあることを考えると、多くの日本人が世界の中でも最も金銭的に恵まれた環境にあります(言い方に語弊がある場合はすみません)。一方で、それとは全く別の環境に産まれた人たちもいます。

「私も含めて恵まれた環境に産まれた人たちは、ただ運がよかっただけ」とProfessor Ted Londonは授業の中で強調していました。そのとおりです。

今後起こりうる大きな問題はなんでしょうか?それは人口問題です。
現在70億を越える人口は2050年には90億を越えると予想されていますが、プラス20億の人口は主に途上国から生まれます。貧困や環境問題が解決できない現在、この人口を今の社会が本当に支えられるかは極めて疑問です。


世界中で貧困撲滅や途上国支援に使用されている海外援助資金はいくらだか知っていますか?
年間で10兆円を超えます。なぜこのような莫大な資金が毎年投入されているのに、問題はなかなか解決されないのでしょうか?

この資金が"Independent"な状態で使用されていたからであり、これらを"Interdependent"な状態にする必要があります。つまり、”その資金は効果があるのか?”ではなく、”どのようにしたら資金をもっと効果的に使えるのか”という質問に変え、それらを最大化させる手だてを考える必要があるでしょう。その鍵になるひとつが、貧困を解決しながらビジネスを進めるBoPだと思います。

貧困問題をビジネスで解決しようというMomentumは上昇し続け、Base of Pyramidという言葉は日本人でも多くの方々が聞いたことがあると思います。

一方、BoPに対する批判の声も聞こえます。貧困層でビジネスをやることは、貧困を悪化させているのではないのか。よく聞かれるのが「Are BoP ventures good or bad for the poor?」という質問です。
しかし、人口問題も含め大きな問題に直面している中で、私たちが考える必要があることは
「How can BoP ventures work better for the poor?」ということだと、教授は強くおっしゃっていました。

MBAでは起業のアイディアを出すときはいつも聞かれます。「How do yo make money?」
事業をやっていく上でもちろん大事です。ですが、なにか私にはこれがしっくりきません。
私にとってもっと大切なのは「How do you create new innovation?」だと思います。

授業のなかで、実際に事業を行っているSustainable HarvestのPresident and FounderであるDavid Griswold氏や、VisionSpringのCOOであるPeter Eliassen氏を招いてお話を聞きくなかで、BoPに携わる方々は本当にInnovativeな事業をやっていると思いました。

自分に落とし込んで考えてみると、多国籍企業で事業を進めていく上では、売上や利益を出していくことは最も大事です。自分がその中の一員であり、ある程度大きな企業で働き、高い授業料を出してもらって勉強していることに責任を感じるとともに戸惑いも感じます。しかし私は、大きな事業を世界中で動かしている国際企業こそ、社会的に価値のある商品やサービスを生み出していく必要や責任があると心から思っています。簡単なことではないですが、このBoPの授業をもとに少しずつ具現化していきたいと思います。

Rossでは毎年BoPサミットという大きなConferenceが開催され、世界中から200名を越えるBoPに関係する方々が一堂に会します。http://www.bop2013.org/
Rossではこのような貴重な、考えさせられる機会にも参加しやすい環境が整っています。

Keiji